【あらすじ】側頭部の対となる2本の角とベクターと呼ばれる特殊な能力を持つ女性型・二觭人(ディクロニウス、觭は「角奇」)。彼女らは人類を淘汰する可能性を持つとされ、離島の国立生態科学研究所に国家レベルでの極秘機密として隔離され、研究されている。
【感想・ネタバレあり】漫画 全巻読み終わりました。
思わず泣いてしまいそうになったよ。新世紀エヴァンゲリヲンによく似ていると思った。SF・ロボット・人造人間という類が嫌いな自分でも引き込まれてスラスラ読めました。
でも喰霊や空の境界や進撃の巨人と比較しても勝るレベルにエグくてグロい話です。喰霊の第1話もなかなかひどい話しだなぁと思ったけど、こちらはさらにその上を行くかもしれない。
また結構エロシーンもあるので、そういう表現が苦手な人には向いていない作品です。でも作品が根底として伝えたいことは非常に深みのあるメッセージで、文学性の非常に高い作品であるように私は思います。作中を通して特に気に入ったキャラはナナです。
新世紀エヴァンゲリヲンや神様ドォルズを読んで面白いと思った人は是非こちらの作品も手にとって読んでみてほしいと思います。
ユカにあまり魅力を感じない。なんかエロシーンを見てもなんか…になる。ルーシーやナナやサチに比較してしまうとなんかね…になる。
極黒のブリュンヒルデに比較すると絵はまだ上手くはないが、それでも見る価値がある。
坂東さんがいい味を出している。
この作品は、シナリオ・ストーリーでは眼を見張るものがある。主人公・ルーシーの過去等に伏線が複雑に張られている。ルーシーの過去は壮絶だった。非常に人間の汚い部分を見させられたような感じ。作品の根底には、人間の奥底にある差別意識のようなもの、虐め 自分より下のものを見下す気持ちなどを感じ取った。
どうしてこの作品も極黒のブリュンヒルデでも鎌倉だったり由比ヶ浜が出てきたり、江ノ島や秋葉原が出てきたりするんだ?と思ったら、この作者さんは神奈川大学出身だったのね…それならば納得。
最近あるある過ぎて飽きてしまった
ゆるふわ系・タイムトラベラー系・いわゆる萌え系アニメに飽きてしまった人にはぜひこちらの作品をオススメしたい。特にひぐらしのなく頃にが好きな人は絶対にハマる作品だと思う。
人間ではないルーシーや角沢にも共感を覚えていく
神シナリオは、コードギアス、クラナド、リトバスあたりだとずっと思ってきたけど、シナリオだけならエルフェンリートはそれらの名作を凌駕します。シナリオのレベルの高さは、屍鬼や新世界よりと同じくらいで引けを全く取らない。むしろエルフェンリートが頭ひとつ飛び抜けている。
大変感動するラストだった
12巻という尺の中でちゃんと起承転結を考えたっていう感じがした。
名作の洋画を一本見終えたような気分である。最終回がとてもいい。それでいて謎が残っている。ナナと蔵馬の関係性は?とか。ノゾミやマユはあのあとどうなったのか?とか ユカとコウタは結婚してるんだよね?とか。
コウタはルーシー(楓)のことを最期の最期まで許そうとしていた。その優しさに感動した。愛子やルーシー(楓)の母やコウタの妹は話の上で非常に重要な立ち位置なのにあんまり出てこなくて残念でした。特に愛子があのあとどうなったのとかルーシーの母がどんな人だったのかはすごく気になる。
この感触は、絶園のテンペストだとか僕だけがいない街を見終わった時のあの感触に非常に似ている。続編というか番外編も見てみたい気がした。番外編でノゾミ視点の話があったのは良かった。ユカやマユにももう少しスポットライトを当ててほしい。特にどうしてコータがルーシーではなくユカの方を選んだのかわかる描写がもっと丁寧に欲しかった。ただYJは少女漫画ではないんだから、そこまで恋愛中心の話にしなくても良かったんじゃないかと思う。11巻と12巻がぶっ飛び過ぎていてよく理解が出来なかった。でもこういうあんまりハッキリとしないラストは非常に芸術的というか日本的で素敵なものだと思う。
あのあとマユやノゾミがどうなったのかよくわからないからそこの描写が欲しかった。あとルーシーのお父さんも結局話には全く出てこなかったね。
この作品の根底のテーマでは虐待や差別やいじめを扱っているが、その一方で揺るぎない愛を映し出している。個人的には最後にコウタがルーシーが自分の妹と父を殺したことを知りながらも罪を許そうとした部分に非常に心を打たれた。罪を許すとか、罪滅ぼしとか償いって言葉にすると難しいけれども、それは実際にできてしまう事なんだと思った。もう少し入手難易度を下げて欲しい。本屋では手に入らず中古本もそんなに出回っていない。ファンとしては嬉しいけどね。もっとこの作品が世の中の人に一般的に出回って知っているような作品になって欲しい。そう切に願うような作品でした。
話としてはルーシーの過去回想、マユと板東さんの絡み
キャラとしては女ならナナ、ノゾミ、アンナ
男なら蔵間がいい
蔵間はなかなか私の好みのキャラだった。
ディクロニウスの発生理由やジルリペットが生殖能力のない女性しか生まれない理由もよくわからなかった。地元の神奈川大学を卒業した人が就職後に転職してこの作品描いたって地味にすごいな。
ストーリー・シナリオ・構成 9.0/10
キャラクター 8.0/10
絵 2.0/10
総合評価 7.5/10