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そもそもアニメを見始めたのは末娘を理解したいという思いからだった。
現在高一の末娘は中学の頃は友達がひとりもいなかった。といっても、イジメにあった、とか嫌われていた訳ではない。
母親に言わせると色々な子たちが娘に関心を示すにも関わらず「クラスの子たちってつまんない」と娘は切り捨て誰とも親しくなろうとしないらしい。事実娘は中学の3年間は放課後はどこにも寄らず真っ直ぐ言えに帰り膨大な量の小説や漫画を読み、アニメを漁りイラストを描く日々だった。
姉や兄とはよくしゃべり、よく笑い、喧嘩する。感情表現豊かで自分を絶対に曲げない。母親には反抗する。しかし反抗てもしすぐ忘れ感動した小説やアニメの話を延々としゃべり続ける。
ただしその内容があまりにも暗黒過ぎて母親は心配する。描くイラストも人の首が切られる様を美しくデフォルメするようなタイプだ。心が病んでる?犯罪者になるのでは?常識的な母親には理解できないらしい。でもぼくはその絵のセンスの良さについ感心し「お前すごいぞ、イラストレーターになれるかも。ぼくの老後はその印税で養って、ネ」と半ば本気でお願いしてしまう。
娘はなぜか中学校ではマスクをはずさなかった。風邪をひいてるとか花粉症というわけではない。驚くべくことに3年間ついに一度もマスクをはずさなかった。だから娘の素顔は担任もクラスメートも知らない。記念写真ですらマスクをつけたままだ。理由は分からない。とにかく、娘は母親が叱ろうと、クラスメートに頼まれようと教師に注意されても絶対にマスクを外さなかった。
まったくわが娘ながら「あっぱれ」だ。父親であるぼくはそんな娘を叱るどころかむしろ誇らしく思ってしまう。どんな理由があろうと、「己の意地を貫く」姿勢がぼくにまぶしい。
そんな娘が中学の卒業式のことをぼくに教えてくれた。名前の知らないクラスメートたち(娘は本当にクラスメートの名前を知らないらしい)が娘に群がりサインをねだったというのだ。
「あこがれてた」「神秘的」「あんたすごいよねえ」と男も女も娘を褒め添えたという。母親もその姿を見てたらしく「ホント、この子人気者だったのよ、わたしびっくりした。あんたも来れば良かったのに」と付け加えた。
ぼくはこの娘が幼稚園に入園し間もない頃に母親と離婚し家を出た。だから娘にはぼくと生活した記憶がほとんどない。兄や姉はぼくとの思い出がたくさん記憶に残ってるようだが、この子だけは何もない覚えてない。
そんな娘を少しでも理解したいという思いで、娘が好きだというアニメを観ようと思い立ったのがぼくのアニメ中毒の始まりだ。
始まりは「東京喰種(グール)」だ。娘が大ファンなのだ。特に金木くんという男の子。さっそく、観た。そしてハマッタ。娘うんぬんは忘れ、あのダークでクールなアニメの世界にぼくもすっかり溺れてしまった。それから娘とアニメのキャラ話で盛り上がり意気投合。漫画や番外編の小説も借り全巻読破。
(あれ、もしかして娘のマスクは金木くんの真似??)
で、他は何が面白い?なになに、シュタインズゲイツ、進撃の巨人、鋼の錬金術師、蒼穹のファフナー、まど☆マギ…、という調子で勧められるままに次々と見始め、気がつくとぼくまでアニヲタ(もどき)になってしまった。
今もlineで感想を送る。すると娘から速攻の返答。真夜中の二時や三時でもだ。いい加減、寝ろ、と父親なら注意すべきだが、つい一緒に盛り上がる。キャラ話、背景の話、絵文字やら寒いギャグの応酬。たまに上の娘も乱入。
高校に進学した娘はたくさん友達ができたらしい。中学と違いクラスメートのレベルが上がったからと娘は言うが、母親がこっそり「この子に自信がついたの。成績もトップクラスよ」と教えてくれた。マスクはもうしいない。友達にカラオケに誘われアニメソングで盛り上がりもっかリア充を経験中。
そのせいかどうかは分からないけど、近頃の娘の勧めるアニメは学園ギャグが結構ある。「Angel Beats」「政宗くんのリベンジ」「やはり俺の青春ラブコメディはまちがっている」などだ。ぼくもこうした学園ものは大好きだ。ギャグに笑えるし、友達通しの掛け合いは幸せな気分になる。
そもそも娘が好きだと言うアニメでぼくが嫌いなものや苦手なものはひとつもない。それは娘も同様のようでぼくが勧めるアニメは娘も喜ぶ。どうやら嗜好が似ているようだ。一緒に暮らさなくても親子は親子なのだろう。
この子が将来どういう道に進むかぼくには分からない。どんな道でもいいと思ってる。それが好きでさえあれば。この子らしくのびのびできたら何だっていい。どんな恋愛をしようと、どんな職業に就こうが就くまいが、自分らしく、正直に、自分を好きでいられたらそれでいい。
この子に限らず、子供たち全員にそう思ってる。父親としてぼくは何もできないし、そもそも父親失格で、父親顔もできない立場だけど、ぼくにできることは「たとえ世界を敵に回しても、すべてを失っても、非難され、命を捨てようと、どなことがあろうともぼくはお前たち味方だ」ということを言葉と態度と行動と思いと意思と感情のすべてを使って表し続けることだ。
なぜならぼくは無条件にお前たちを愛してるのだから。それがぼくの喜びなのだから。
さて、今度はどのアニメを観よう?娘にクラナドなるアニメを勧められたけど、それはぼくにも面白いのだろうか?
なお、今放映中のアニメでは「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」「月がきれい」「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」「ソード・オラトリオ ダンまち外伝」が面白い。マキャベリも結構好きではあるが、他に比較したら今ひとつかな。
などと娘とやりとりする日々である。
これは息子から勧められ観たFateシリーズの音楽だ。アニメそのものも素晴らしいが音楽がまた素敵なのだ。
セイバーと呼ばれる美少女戦士(実はアーサー王の英霊というアニメ上の設定)がぼくの好みでもある。
今夜はこの音楽で仕事の疲れを癒す。まさかクラシック・ファンのぼくがこんな音楽を聴くとは思いも寄らなかった。